土地を売却すると税金はどうなるの?

土地は所有しているだけで税金がかかります。税金がかかるなら、人に貸して収入を得て負担を減らそうとしても、その収入に対しても税金がかかります。「そんなに税金をとられるなら…」と土地を売却したとしても、その場合も例外ではありません。

売却しても税金がかかるのです。今回は、土地を売るときの税金について見ていきましょう。

土地売却にかかる税金にはどんなものがある?

さまざまな種類がある所得税

土地を売却することを「譲渡」といい、土地を譲渡して利益が出ると、所得税がかかります。所得税とは、所得があったときに課税されるものであり、所得とは総収入からその収入を得るためにかかった費用などを差し引いたものです。

所得は、何をして得たのかによって10種類に分けられます。サラリーマンが得るのは給与所得、個人事業主ならば事業所得、預貯金の利子は利子所得、クイズの賞金や生命保険の満期返戻金は一時所得、土地や株式などを売ったら譲渡所得といったように分類されています。

複数の所得がある場合

1人の人が得る所得は、1種類だけとは限りません。会社勤めのかたわらマンションを所有していれば、給与所得と不動産所得の2つの所得があることになります。また、お店を経営している人が株式も持っていて配当を受けていると、事業所得と配当所得があることになります。

多様化している社会のなかで、同一人物が複数の所得を得るというのは、特別なことではなくなりました。2種類以上の所得があるときは、基本的にはそれらの所得を合算して課税所得を計算し、これに税率を掛けて計算します。

たとえば、飲食店を経営して事業所得のある人が、賃貸マンションを経営して不動産所得もあるとすると、2つの所得を合算したものが課税所得となります。これを「総合課税」といいます。

総合課税以外の課税方式

しかし、一部の所得については、他の所得と合算しないで、その所得だけに税率を掛けて税額を計算する課税方式があります。他の所得とは分離して課税するので、「分離課税」といいます。

分離課税となる所得には、利子所得、退職所得、山林所得、譲渡所得、配当所得が該当します。預貯金の利子所得のように、あらかじめ所得税が源泉徴収されるものは「源泉分離課税」といいます。源泉分離課税はそれだけで課税が完結するので、あらためて申告する必要はありません。

少し複雑なのが、譲渡所得です。譲渡所得は土地、株式、ゴルフ会員権などの資産を譲渡したときに生ずる所得のことですが、譲渡所得がすべて分離所得になるのではありません。土地には分離課税が、株式には申告分離課税が、ゴルフ会員権などには総合課税が適用されます。

不動産業を営む個人が、事業として土地を譲渡すると、それによって得た所得は、事業所得または雑所得となるので、総合課税となります。

損益の通算とは?

土地や株式を譲渡すれば、利益が出ると決まっているわけではなく、損失が出ることもありますよね。株式は値下がりすることもありますし、土地は地価の下落が続いている地域では、土地を売却することで損失が出ることもあります。

土地の譲渡によって損失が出たときは、他の土地を譲渡して生じた利益から差し引いて、所得を計算することができます。株式も同じで、株式の譲渡によって生じた利益から損失を差し引いて計算することができます。この場合は、あくまでも土地の譲渡に関する所得、株式の譲渡に関する所得というように、同じ性格の所得だからこそ、差し引いて所得金額を計算することができるのです。

サラリーマンで給与所得がある、個人事業主で事業所得があるという人が、土地を売却して赤字が出たからといって、違う性格の所得である給与所得や事業所得と、土地の譲渡所得を差し引きして計算することはできません。

また、同じ譲渡所得といっても、土地の譲渡では損失を出したものの、株式の譲渡では利益を出したからといって、この2つを差し引いて計算することもできません。2つ以上の所得がある人が、1つの所得は黒字で他の所得は赤字というときに、赤字となった所得を黒字の所得から差し引いて計算することを「損益の通算」といいます。

所得が赤字になったときに損益の通算ができる所得は、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得の4つです。このうち、不動産所得で土地を取得するための借入金の利子は、他の所得と損益の通算はできません。また、生活に必要ない資産の譲渡によって赤字になった場合も、損益の通算はできません。

さらに、譲渡所得では、土地の譲渡にともなう損失が出たとしても、他の所得と損益の通算はできないことになっています。

土地を売却する前に測量をするメリットとデメリット

累進課税について詳しくなろう

所得税は収入から必要な費用を差し引き、そこからさらに所得控除を差し引いた課税所得金額に対してかかります。所得税の税率は所得が多い人ほど税率が高くなる「超過累進税率」を採用しています。総合課税が適用される所得は、それを合算したものについて、所得税率が適用されます。

お店を経営している個人事業者の事業所得が1200万円あり、マンションも経営していて、その不動産所得が800万円あるとしたら、これを合算した2000万円から所得控除額を差し引いた所得に対して所得税が課税されます。

2つ以上の所得を合算して所得税がかかるのは、総合課税が適用される所得についてだけです。

利子所得や配当所得、退職所得、土地を譲渡したときの譲渡所得などのように、分離課税、または源泉分離課税となっている所得については、他の所得と合算して課税されるのではありません。

その所得に対してのみ課税されて、税率も異なります。

どうしてこのような方法をとっているのかというと、分離課税や源泉徴収課税が適用される所得は、毎年確実に入ってくる所得ではないという判断があるからです。給与所得や事業所得、不動産所得などは、働いていれば毎年得ることのできる所得です。

これを経常的な所得といいます。土地の譲渡所得や退職所得などの経常的ではない所得について、もしも経常的な所得と合算すると、その年の所得が一時的に増えてしまいます。所得税は超過累進税率を採用しているので、その年の所得税額も一時的に増えてしまいます。

そこで、課税区分を分けて支払うべき税負担を軽減しているのです。このように土地を売却したときの税金は複雑な計算方式になっていますが、その仕組みを正しく理解して、賢く節税しましょう。

相場の把握が肝心な土地の売却